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2011年8月号「不変的なもの」

 ベイエリアの皆さん、清々しい夏をいかがお過ごしですか?『全ての人にせぼね検診』を目指すドクター岡井です。つい先日、長い長い夏休みが始まったと思ったら、もう直ぐ新学期が始まる時期になってしまいました。毎月言っている気がしますが、本当に時の経つのは 早いものです。新学期が始まったらハロウィンがやってきて、サンクスギビングやってきて、クリスマスがやってきます。それが終わったらもうお正月です。どうしたものでしょうか、どうしてこんなに毎年毎年アッという間に時が過ぎるのでしょう。困ったものですね。人によるとこういう話をするようになるのは歳を取った証拠だそうです。まあ、余計なお世話だといいたいところですが、賛同せざる得ない自覚もあるので的を得たご指摘なのでしょう。

 私の息子も早いもので今度高校の最終学年であるシニアになります。ということは今年の秋は大学への願書の準備に追われることになります。ついこないだ生まれてヨチヨチと歩いていたような気がするのですが、ふと気が付けば薄っすらではあるもののヒゲ面になっていてお世辞にも可愛いとはいえない代物(者)に成長してしまいました。息子が小さかった頃の写真を眺めながら『あの頃はこんなに可愛らしかったのに一体お前に何が起こってしまったんだ?』と息子に問いかけると『この歳になっても可愛かったら変だろ』と言われ、まあ確かにそのとおりだと自分を慰めるのです。息子が生まれたときは、自分のようなものが人の親としてやっていけるのだろうか?と思ったものですが、今ではそのような殊勝な疑問さえ頭に浮かばなくなってしまいました。それだけ長く親をやってきたということでしょう。子供が成長し親も成長するということですね。親子関係もその成長に合わせて変化していきます。いつまでも子ども扱いは出来ませんし、自主性に任せたいところですが、夏休みはいつまでもぐうたらと寝ていて家の手伝いもほんの少ししかしない息子を見ているとつい小言を言いたくなってしまいます。関係のあり方は変化しても、いくつになっても親にとっては子供は子供なのでしょう。
 
 親子関係のように変化してはいるものの根底は不変的なものは結構世の中に多いのではないでしょうか。私が情熱を傾けて頑張っているカイロプラクティックにしてもそうです。毎年のように新しい機械や道具を使った治療法が次々と登場し、まことしやかな宣伝文句でいかにもこれさえあれば全て解決のようなことを言いますが、結局は多くの療法が数年で消えていきます。長年携わって分かるのはやはりカイロプラクティックの原点である手による背骨の矯正治療が一番大切でカイロプラクティックの魅力でもあるということです。カイロプラクティックも多様化しているようで、一番大切なものは不変であるといえるのです。

カイロプラクティックは日本ではあまり馴染みのない医療といえます。アメリカで生まれ百年以上続くカイロプラクティックもアメリカの医学会との長年の確執と闘いの歴史の末、保険なども適応できる法制化された医療という地位を獲得しました。それから半世紀が経ち、アメリカ医師会との関係は大きく改善されていますが、いまだに医師、特に古いお医者さんには歴史上の確執からカイロを毛嫌いされる方が結構います。まさに石(医師)頭なのです。こんなダジャレが出てしまうのも歳を取ってきた証拠でしょうか。危ない、危ない。

長年の医師とカイロプラクターの確執の原因の一つは、カイロプラクティックの哲学にあります。哲学?ソクラテスかプラトンか?という感じで日本人には哲学は少々重たいイメージがある言葉です。しかし英語ではフィロソフィーという言葉は非常に良く使われるのです。長い長いカイロ大学生活の最初に授業で習うことがあります。それは「カイロプラクティックはアートであり、サイエンスであり、そしてフィロソフィーである」という言葉をあらゆる先生方から叩き込まれます。カイロプラクティックは手技療法です。それは、その先生の匠の技によるものなので何となくアートであるという言葉はすんなりと理解できました。そして、カイロプラクティックは人間の解剖学、生理学、運動機能学に基づいた非常にシンプルでメカニカルな理論であるためサイエンスであるということも直ぐ理解できました。ところがフィロソフィー、哲学とは一体何か?と私の頭の中でも?マークが浮かんでいました。実はこのフィロソフィーこそが初期のカイロプラクターたちにとっては最も大切なものだったのです。

もちろん現代のカイロプラクターにとってもフィロソフィーは大切なのですが良いのか悪いのかは分かりませんが昔ほど極端ではありません。カイロプラクティックのフィロソフィーをなるべく分かりやすく解説すると、人間の身体には持って生まれた治癒力、抵抗力、回復力、免疫力といった素晴らしい力があります。その力が十分に発揮されるためには体中の神経の流れが正常でなければなりません。しかし背骨に歪みや引っ掛かりがあるとそこから出る神経を圧迫して人間本来持つ素晴らしい力が上手く機能せず痛みや体調の不良の原因となると考えられます。そして、強烈なフィロソフィーを持つ先生は、背骨の問題を解決して神経が正常に流れれば後は身体自身が素晴らしい力を発揮して治すので、それを薬などで誤魔化すのはとんでもないと主張したのです。そこで投薬を中心に治療することが多い医師と真っ向から対立したのです。投薬治療を否定されては医師は立場がありません。そこでカイロプラクティックを糾弾し、カイロプラクターたちを牢屋に放り込むことに躍起になったという凄まじい歴史があるのです。ですからそのような世代の医師、または彼らに教育を受けた世代の医師の中にはカイロプラクティックをろくに知りもしないのに毛嫌いする先生が多く存在するのです。そして古いカイロプラクターたちも医者を負けず劣らず毛嫌いしていたのです。

今からみればパワーゲームとも呼べる暗黒の時代ですが、現代のカイロプラクターはより医学的な教育を受けていて、投薬治療の必要性や有効性も十分理解しているので昔のような極端なフィロソフィーの先生はごくごく少数になりました。医師たちの中にもカイロプラクティックの有効性を認めカイロプラクティックを患者に薦めてくださる先生もたくさんいます。これは患者さんにとってはパワーゲームの狭間で犠牲になることがなくて良いことだといえます。

私たち現代のカイロプラクターは昔の先生方のような強烈なフィロソフィーではないにしろ、やはり背骨の治療と神経の流れの改善で体調を向上させることを大切にして、出来ることなら薬に頼ることなく身体を強くしていきたいと考えています。24個ある背骨の一つでもズレたり引っかかって関節の動きが悪くなると大きな問題に発展する可能性があります。なぜならそこから痛みなどを感じる知覚神経、筋肉を動かす運動神経、内蔵機能を司る自律神経が出ているのであらゆる問題の原因となりえるのです。時にはその問題のある背骨一個をちょっと矯正するだけで見違えるように体調が改善されたりします。しかし、そこに気づかなければ難病となってなかなか答えが見つからないこともあるのです。カイロプラクターからみれば実に単純でシンプルな問題でも他の医療からはその原因が見えないのです。ですから脳神経検査やCTまで撮ったのに原因が分からなかったものが、私が見ると実に単純な原因でカイロの治療で治ってしまうという患者からすれば信じられないようなことが起こるのです。医療にはそれぞれの役割があります。我々カイロプラクティックには手が出せない分野もあって、医師のほうがはるかに適した処置を施せるものもたくさんあります。そしてカイロプラクティックの方が得意な分野もあるのです。

残念なことに世の中ではまだまだカイロプラクティックの知名度や認知度は低いのが現実です。カイロのことを良く知らないのにアンチカイロの主治医からカイロなどに行くなと言われて素晴らしいカイロプラクティックの治療を知らずに苦しんでいる方もたくさんいます。カイロプラクターになるには高校を卒業後少なくても8年分の教育を必要とする立派な医学だと誇りに思っています。決して怪しいものでも不思議なものではないサイエンスベースの医療です。是非カイロプラクティックをよく知らずに敬遠している方は、遠慮なく私のクリニックのHPにご質問を寄せていただければ、不安や疑問を解消できるお答えが出来ると思います。

人の身体にはまだ未知の部分がたくさんあります。そして色々な角度からアプローチしていくことが出来るのです。この100年、カイロというアプローチ方法が多くの方に支持されてきたのにはその理由があるからです。少なくてもベイエリアの皆さんには積極的にカイロプラクティックを健康のお役に立てていただきたいと願っています。我々に最も身近で不変的なものは人間の身体です。その身体の健康は何物にも変えがたい大切なものなのですから。

サンマテオ・クリニック
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