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2010年10月 「身体に良いもの」

 アッという間にことにも10月です。毎年毎年どうしてこうも月日が経つのが早いのでしょう。ベイエリアの皆さんお元気ですか?『すべての方にせぼね検診』を目指すドクター岡井です。冷夏を過ごしたベイエリアですが、何だか9月の終わりのほうが暑くて、しかし寒かったり暑かったり、また寒かったりで体調を崩す方も多かったようですね。こんな時にこそ自分の免疫力が試されるときだと思って気合を入れています。カイロプラクターとして皆さんの健康のお役に立つことが使命の私にとって健康や医療に関するあらゆる情報はとても気になるものです。日本が豊かになってからというもの国民の健康に対する意識の高まりはかなりのものです。健康食品ブームがやってきてあらゆる商品が流行っては廃れてを繰り返しています。そんな中でより自然なものが根強い人気を持っているようです。私も普段からビタミンとヨーグルトの摂取を欠かさなかったのですが、この夏にキッチンをリフォームする際にカスピ海ヨーグルト菌を死なせてしまいました。何年も愛用していたので残念ですが、しばらくは市販のヨーグルトに頼ることにしました。
 私の健康志向も実は母親からの遺伝ではないかと先日気がつきました。9月の終わりに東京でセミナーとイベントでのスピーカーの仕事のために日本へ行ったのです。普段の日本出張は二泊で行くのですが、今回は久しぶりに母を訪ねるために患者さんに迷惑がかかるとは思ったものの思い切って一泊延ばして三泊で行くことにしました。母を喜ばせようと連絡して報告すると「なんね、たった一泊ね?」としっかりお小言をいただきました。無理して二年ぶりに訪ねるというのに怒られては割が合いません。でもまあ息子なんていうものは大体こんなものです。母は父が亡くなる直前に単身赴任地だった宮崎の工場の近くの山間の森に建てた隠居所に一人で暮らしています。とても静かで自然が美しい素敵な場所です。陶芸家の母はここに大きなアトリエを建てて、昼間は陶芸教室をして忙しい日々をすごしています。
 東京での仕事を無事終え、飲みすぎ寝不足状態で宮崎に着いた私を母と福岡に住む弟が迎えに来てくれました。私が宮崎に行くと恒例なのですが、お気に入りの肉屋に立ち寄り、刺身用の鳥のささ身と砂ズリ、そして口蹄疫で話題となった宮崎牛のサーロインステーキを買ってから母の家に向かいました。偶然数ヶ月前に連絡がついた昔の知人が宮崎にいたので母の家で再開をする約束になっていたのです。母の家に向かう道は森の中の砂利道でとても風情があり訪れる人の心を和ませてくれているかのようです。母の家に向かう道はその先にはもう一軒も民家はありません。だけど鹿や猪などはたくさん住んでいます。
 母の家について一休みしていると昔大変お世話になった知人がやってきました。私の顔を見るなり「年取ったねぇ~」と見事にジャブを入れてくれました。それはそうでしょう16年ぶりの再会です。相手も孫までいる歳になっているのだからお互い様というものです。その知人が今年大病をして大きな手術をしたというのを聞いていたのでどんなにやつれた姿で現れるのだろうかと少し不安でしたが、その期待を見事に裏切って顔色もよくとても病気をしたとは思えないほど元気そうなのです。母には知人の病気のことを話してあったので、身体に良い『びわ茶』を入れるために庭のびわの木の葉を全部収穫しゴミ袋3袋分も集めていたのです。知人を迎え入れるやいなや良く冷えたびわ茶を出してきて「これは、びわ茶なんですけど、とっても身体に良いんですよ」と少し自慢気に薦めたのです。すると知人もノリ良く「ほぉー、びわ茶ですか?これは身体にとっても良いんですよね!」と話に食いついたのです。
 これはまずい、母の健康食に関する話と共に様々なものが卓上に並べられるのではないかと焦ってしまいました。ところが私の知人は只者ではありません。彼も病気をして入院している間、暇に任せてあらゆる健康食品について検索し調べ上げていたのです。出てくる出てくる、色々な健康にいいものの話が次から次へと出てくるのです。それも私たちが知らないような新しいとても魅力的な品ばかりです。鹿児島大学の野島教授が見つけて花崗岩から抽出して作るとかという能書きまで饒舌に語ってくれるのです。これは健康お宅の母にとっては涎が出るほど魅力的な話です。すっかり知人の話にのめりこみ感心することしきりです。知人が抗がん剤を飲んでいるのにこんなにも元気で食欲もまったく落ちないのは超遺伝子ミネラル水を毎日飲んでいるからだと聞くと早速どこで手に入るのかと訊ね、知人の友人の奥様の脳腫瘍がその水で縮小し意識不明で死に掛けていたのに今では仕事にも復帰したと聞いたときにはもう興奮のるつぼです。そして、宮崎の食用ミミズで作ったサプリが血管をきれいにして脳溢血などの予防に最高だと聞いたときには、自分の両親が脳溢血を患ったので自分も脳溢血で死ぬだろうと思い込んでいる母は悶絶するほどの勢いです。もう自分にはこのミミズしかないと思った母は少女のように瞳を輝かせ食い入るように知人の話を聞いています。確かに母の両親は脳溢血は患いましたが、その後二人とも大変元気で長寿でしたので母は一体何歳まで生きるつもりなのだろうと空恐ろしくなりました。
 母が100歳まで生きれば私も70を超えて立派な爺さんです。私も負けないように超遺伝子ミネラル水とミミズサプリで長生きして立派に母を看取らなければなりません。しかし、私にはカイロプラクティックがあります。カイロが免疫に強いというのは患者さんを見ていてつくづくそう思います。背骨の中には脊髄という中枢神経が縦断しています。ここから神経が枝分かれして背骨の隙間から全身へと伸びるのです。この脊髄は脳から伸びていて、脳と脊髄を中枢神経と呼ぶのです。この脳と脊髄は髄膜という膜で覆われていて、その中を髄液という液体が循環して中枢神経に栄養を送っています。背骨が歪むとこの髄液の流れが停滞し、脊髄への栄養が低下してしまうのです。特に上部頚椎といって首の一番上の骨が動きが悪くなると脳から脊髄への移行部での髄液の流れが悪くなるばかりか、ポンプの役割を果たさなくなるので脊髄全体へ影響してしまうのです。髄液の循環が活発な人ほど神経の働きが高まり免疫も上がるということです。
 超遺伝子ミネラル水とミミズサプリの情報を後日メールしてくれるように何度も知人に念押しした母は知人を見送ったあと、彼に渡そうと用意していた健康食の本やびわ茶も必要なかったねと片付けていました。しかし、その後姿は新たな健康食品を見つけた喜びと興奮で全然さびしそうではなかったのです。その夜に母と弟と楽しく食べた鳥の刺身や宮崎牛も美味しかったのですが、母の作った苦瓜の佃煮や新ショウガの酢漬けはいかにも身体に良さそうであり、とても美味しく何よりのご馳走でした。翌朝も母の定番の朝食を懐かしく頂いた後、身体にとても良いという母が作った『びわの種の焼酎漬け』を一日二粒食べたなさいと薦められ、食べてみたのですが、とりたてて味はなかったです。
 身体に良いもの尽くしで数日間の都会での暴飲暴食に疲れていた体が浄化されるようでした。森の綺麗な空気、日本でも有数の清流だとテレビで紹介されたことのある裏の沢から引いた水でのシャワーなどすべてが私の心と身体を癒してくれます。そんな感慨にふけっている私の耳にキイッ、キイッという鳴き声が聞こえてきました。ああ、鹿さんも私を歓迎してくれているんだなぁとマッサージチェアの上で朝食後のうたた寝をしていた私はまさに夢心地でした。ところが母が裏庭で何やら嬉しげにはしゃいでいます。一体何事かと庭に出てみると母の家をスッポリと包み込むように鬱蒼と茂る巨木が作り出す森を数匹のサルが楽しげにキイキイと追いかけっこをして騒いでいたのです。巨木を渡る小さなサルのたちの姿は、私を別世界へと引っ張り込み、森の生活も悪くないなと一人楽しげに森で暮らす母の気持ちが少し分かるような気がしました。そんなおセンチな私の目の前には坊主になった妙に寂しい木が一本突っ立っていました。母はその木を指差し「これがびわの木よ。全部葉っぱ取って坊主にして剪定したのよ。また新しい葉っぱが生えてくるわよ」と言いました。「う~ん、皆の健康のためだ。びわの木さん、ありがとう!」と感謝を込めて手を合わせたのでした。

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