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2011年2月 「回らない首」

 ベイエリアの皆さんお元気ですか?「全ての方にせぼね検診」を目指すドクター岡井です。つい先日正月を迎えたと思ったら既にもう二月です。皆さんの年始は順調なスタートでしたか?近頃風邪を引いている方も多いようで、私の患者さんも「子供が熱を出していて行けません」とか、ご自身が「ちょっと風邪気味で」という連絡が入ります。カイロは免疫にも良いのでマメにアジャストメントを受けていると風邪などは引きにくいのですが、疲れていたり体調が悪いとどうしても風邪をもらってしまうものです。私も風邪を引かないようにしっかりと寝て、しっかり食べて、しっかり運動をして過ごしたいと心がけています。

 そんな私も娘が先月13歳となり遂にティーンエージャーの仲間入りを果たし、父としてはもうそろそろ相手にしてもらえなくなるのではないかと戦々恐々としている毎日です。いつまでも小さくて可愛いままならいいのですが、そうもいかないのが現実です。その娘が誕生日を前にして学校で風邪をもらってきました。よく話を聞いてみるとクラスの3分の一ぐらいが風邪を引いて休んでいるというではないですか。発熱と咳というごく一般的な風邪でしたが、学校を休んで寝てばかりいたら首がガチガチになって回らなくなって頭痛が酷くなってしまいました。首のリンパも腫れるし、ウィルスへの生体防御反応で節々が痛くなるし、咳による内圧の上昇や寝すぎで固まってしまった首では頭痛が出ないほうがおかしいだろうと私もマメに娘の首をアジャストしながら優しく励ましました。すると家内と息子から「お父さんは本当に甘いんだから、だから直ぐ甘えて痛がるんだよ!」といわれのない非難を受ける有様です。その横で娘は自分の身体の不調を更に誇示するようにゴホンゴホンとわざとらしく、いや苦しそうに咳をするので息子は顔をしかめながら「お父さんが甘やかすから、こんな娘になったんだ!」と自分も人一倍甘やかされて育ったくせにいかにも嘆かわしいと言わんばかりです。私は娘だけでなく家内にも息子にもすこぶる甘いと思うのですが、人間は自分のことは棚にあげて直ぐに人のことばかり言って、えこ贔屓だなんだと騒ぐから嫌になります。

 大体、私は痛いとか体の調子が悪いという人を放っておけないたちなのです。だからこそカイロプラクターになったのかもしれません。もし私が「痛いのは甘えているからだ!」なんてことを言う人間だったら誰もクリニックへ来てくれる人などいなかったでしょう。そういう精神論的なことがまったくないとは言いませんが、私がそれを言っちゃお仕舞です。もっと物理的に科学的に理論的に原因を見つめてアプローチする習慣がついているのと痛みに苦しむ本人が一番苦しいのだから、その痛みを苦しみを分かってあげたいと思うのが私のドクターとしての習性なのです。息子は小学生のとき成長痛で「痛い、痛い」とよく夜中に私たち夫婦を起こしたくせに、妹が成長痛に苦しむ年頃になったら自分のことは綺麗さっぱり忘れて「そんなに痛いはずないだろ。俺はそんなこと一度もなかった」とぬけぬけと言い放ち、私たち夫婦のあんぐりと開いた口はしばらくの間ふさがりませんでした。

 首の痛みというと直ぐに「寝違え」という言葉を連想される方が多いと思います。ところで寝違えとは一体何なのでしょう。皆さんもそんな素朴な突込みをされるとしどろもどろになってしまうでしょう。その一見ユーモラスにさえ見える首をかしげたまま動かせずにいる姿から不本意にも軽く見られがちな寝違えの正体とは?私の患者さんを診て思うことは寝違えには数種類の原因が存在するように思えます。本当に頭が枕からズレ落ちたり、恐ろしいまでの寝相の悪さから首が悲しいほどに奇妙な角度で屈曲したままおまけによだれなど垂らしながら寝てしまった結果、寝違いを起こすというものが皆さんのもっとも想像しやすい原因でしょう。まともな状態ならある程度時間が経過したところで、苦しさのために目を覚ますなり、寝返りを打つなどしてこのような悲惨な結果を無意識に回避するはずです。ところが人間というものは時に驚くほどの深い昏睡状態に陥ってしまったりするようです。これが皆さんの期待にお応えできる絵に描いたような寝違えといえるでしょう。

 「いやいや私は行儀がよくてそんな寝相は悪くないのに寝違えたことがあるよ」という方もいるでしょう。寝ているときの格好なんて分からないくせになどと意地悪なことは申しません。おっしゃるとおり寝相が悪くなくても朝起きてみると首が痛くて回らなくなっていたということがあるのです。身体の炎症は6時間から12時間掛けて最高潮に達するケースが多いのです。捻挫をした直後は歩けたの翌朝起きたら足が二倍に腫れあがっていたなんて経験はないでしょうか。前日の午後に何か首を痛めるようなことをしていれば、徐々に炎症が増して寝ている間に痛みが出始めることもあるのです。「そういえばサッカーの練習でヘディングしたときに首に衝撃を感じた!」なんてこともあるわけです。それでも、「私は何も首を痛めるようなことをした記憶がないのです」と途方にくれてしまう方もいます。実はこのタイプの方が一番多いのです。さてこのような方の原因は何でしょう。最も多いのが首から肩、そして背中の筋肉の疲労です。例えばコンピュータを長時間使ったり、細かなクラフトや手芸などに嵌ってしまったり、長時間下を向いて読書をしたりといったことです。長時間首を前傾させたままでの作業は皆さんが思っている以上に首から肩、そして背中の筋肉に負担を掛けているのです。

 さて、今までは筋肉に焦点を当てたお話をしましたが、筋肉だけでなく神経や椎間板、そして関節包なども痛みの原因となります。これらは筋肉の痛みと共存することが殆どです。首の前傾などは筋肉へだけでなく同様に椎間板にも極度にストレスを掛け頚椎ヘルニアの原因ともなるのです。ですから「ただの寝違えだと思います」と侮ってはいけないのです。寝違えの番外編に朝起きたときは何ともなかったのにシャワーを浴びてシャンプーをしているときにギクッときて首が動かなくなったとか、朝の出勤時に車に乗り込みバックをしようと後を振り向いたときにギクッと来て首が回らなくなるという話もよく聞きます。何が起こったかというと、寝ている間に首の骨、つまり頚椎の一部の関節が引っ掛かったまま固まって動かなくなっていて、その間から出ている神経が首を動かしたときに挟まれて激痛を感じるわけです。そしてその神経は段々腫れあがってしまい首を少しでも動かすとそれを刺激して痛いものですから悲惨な状態になってしまうのです。あー、怖ろしや「寝違え」。

 実はこれらの寝違えは殆どの場合は突発性に起こったように見えるものの、探っていくとそこには首に下地となる問題が存在していることが分かるのです。寝違えを起こす方の多くに共通していることは、首の弓状のカーブがなくなっているということです。これは姿勢が原因となって本来あるべき頚椎の前湾がなくなり前傾してしまうのです。この様なタイプの首は肩こりや頭痛が出やすいばかりでなく、顎関節症や交通事故による後遺症などもでやすいのです。そしてこのタイプの首の方は非常に多く、テレビ世代以降の方の多くに当てはまるのです。寝違えは首に問題があるという信号でもあります。頻繁に寝違えを起こす方は頚椎ヘルニアに発展する可能性も高いです。症状がでる随分前から問題は静かに水面下で進行しているものなのです。寝違えを起こしたら「借金で首が回らなくなりました」なんて冗談を言ってないで一刻も早く私に相談していただきたいと思います。症状だけでなく下地となっている問題からアプローチして首を少しでも良い状態で保つことが大切なのです。子供の頃から姿勢を正し、小さな問題を見過ごさずに治療していくことも大切です。首が回らないなんて経験は借金が原因でも、首の骨が原因でも出来れば経験したくはないものです。いつでもスムーズに回る首でいたいものですね。是非そのお手伝いを私にさせていただきたいと願っています。

サンマテオ・クリニック
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