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2008年1月 「今年は鼠年」

 あっという間に年が明けて2008年を迎えてしまった。何と今年は鼠年だということも、昨年末になって初めて知った。私の家族には結構鼠年がいるのだ。元旦を日本で過ごした際に母や弟家族と鼠の話にチューチューと花が咲いた。実家の屋根裏を時折ネズミが走るというのだ。母が時折目撃するネズミはとても小さくて可愛らしいそうだが、いくら可愛いといってもネズミを野放しにするわけにもいかずに時機を見てはネズミ捕りのようなものを置くらしい。ネズミがいるということは食物が豊富にある証拠ではないかと思う。そして一人暮らしの母しかいない家はネズミにとってはたいそう居心地が良いのではないだろうか。

ネズミといえば、昔あったことだが、ある患者さんが治療が終わった後に着替えていると突然「ワーッ」と大声を上げて騒いでいる。一体何事かと駆けつけてみると「ネズミ、ネズミー」と叫んでいる。治療室の隅を見るとちっちゃくて可愛いネズミが一匹うずくまっている。どうしてビルの8階にネズミがいるのだろうと驚いたが、とりあえずネズミ確保が先だということで、さてどうやって捕まえようかということになった。とっさに横にあるゴミ箱を逆さまにしてネズミの上にかぶせた。そして厚紙をその下に滑り込ませて、それを蓋にするようにしてゴミ箱をまたもとの状態に戻すと上手くネズミはゴミ箱の中に入っていた。ゴミ箱の中にはビニール袋が張ってあったのでそのまま袋をはずして確保することができた。まさに袋のネズミだ。ビニール袋に入ったネズミをビルの管理会社に引き渡して一件落着。

ところで、このネズミどこから来たのだろうということになった。ネズミが出たとなっては、クリニックとしても格好が悪い。狭いコミュニティーであっという間に噂になってしまうところが怖いとこだ。患者さんに一体どこから来たんでしょうねと言うと、「実は靴の中に入っていたみたいです」と恥ずかしそうに言うのだ。エーッと思い「靴の中って、ご自宅からですか?」と訊くと「なんだかモゾモゾしているなという感じはしてたんです」ということだった。まあ、そういうことも長く診療をしていればあるのかなと自分を納得させて、診療とは関係ないが、守秘義務もあるし患者さんにとって余り格好のいい話ではないのでスタッフにも一切他言無用と念を押した。ところが、その日仕事が終わって家に帰ると家内が笑いながらネズミが出たんだってねと言うではないか。エーッ、どうして知っているのかと訊くと、その患者さんの奥さんからお騒がせしましたと侘びの電話が家内のところに来たというのだ。私は普段からあまり患者さんのことは家内にも話さない。しかし、今回は患者さんの奥さんがリークしたのだった。

家内の話によると、患者さん家のガレージで最近ネズミが出没した痕跡がよく見られる様になったので退治しなきゃねと話していたそうである。同じ町内の方で奥さん同士も親しいので患者さんからすぐに奥さんにことの顛末が伝えられ、自分が動揺していてちゃんと謝罪ができなかったので代わりに頼むと連絡があったそうだ。家内も、もちろん余計なことは人に言わないタイプの人間なので笑いを堪えつつも誰にも言わずにいたそうだ。ところが翌朝に日本語補習校行きのバス停で親しいお母様方が皆その話を知っていたのだ。どうやら患者さんの奥さんが面白がって皆に話したらしく、一気に皆さんに知られるところとなったのだ。まあ、靴の中にネズミを入れたままそれを履いて車を運転してクリニックに来るご主人もご主人なら、それを面白がってみんなに話す奥さんも奥さんである。とても大らかな良いご家族だった。

さて、ネズミというとミッキーマウスのようにキャラクターになると可愛いのだが、実物は結構嫌われることが多い。それでも、ペットショップなどでネズミ系のものをよく観察するとやはり目なんかとても可愛いのだ。ハツカネズミなどは実験によく使われ、我々人類の為に大変貢献してくれている。医薬品関係の実験でもネズミがいなければならないものが殆どではないであろうか。ハツカネズミがよく回転車で一生懸命走って運動している姿を見ると、どうしてもトレッドミルの上で一生懸命に走っている人間を連想してしまうのは私だけだろうか。

 あれはネズミの本能を利用しているわけで、身体を動かしたい、運動をしたいという欲求があるのだ。人間だって本来は運動の欲求が強いので子供の頃にその欲求を満たすように十分運動をさせることが大切で、身体に運動の習慣をつけるといいのだ。歳を取るにしたがって運動への欲求は減少していくが子供の頃から運動をしていた人ほど大人になっても運動へ対する欲求を高く保つことができるようだ。運動しないと身体というものはおかしくなって正常に機能しなくなる。内臓だって運動して循環器系を鍛え血流をよくし、老廃物の排出を高めないと病気になりやすいのだ。

 ハツカネズミのように一心不乱には走れないという方は、まずは歩くということから始めてみてはどうだろう。歩行というのは人間にとってもっとも基本的な運動であると共に健康には欠かせないものなのだ。手足を大きく動かすことで背骨にも捻れ運動を起こし背筋を鍛えつつもほぐすことができる。歩くことは身体に良いのだが、それにも正しい歩き方がある。ショッピングモールで荷物を片手にウインドウショッピングをするのはあまりお薦めできる歩き方ではない。ゆったりのんびり歩くのはリラクゼーションやお年寄りには良いけど運動にはならない。それではどのように歩いて欲しいかを説明したい。まずは姿勢良く歩く為に背すじを伸ばし腹筋に軽く力を入れてなるべく背が高くなるようにする。イメージ的には頭のてっぺんを糸で天から引っ張られているようにすると良い。そして、操り人形のように上から引っ張られたまま、背が高い状態のまま姿勢を良く保ち歩くことが大切だ。

次に肩に力が入らないようにする。姿勢を正してと言うとどうしても肩に力が入ってしまう方がいるが、姿勢を良くしても肩に力は抜くようにする。歩くときはリズム感良く手足をできるだけ大きく振って歩く。それによって体の捻れが増えて、より筋肉を使うし、可動域も大きく使うのでとても有効な運動になる。そして、重要なのは歩くスピードだ。これは早歩きが望ましく、ある程度心拍数が上がらなければ運動とは呼べない。しばらく歩いてうっすらと汗をかくようでなければならないのだ。最低でも40分ぐらいは歩いてしっかりと汗をかくようにすると良いだろう。出来れば平らな地面だけではなく、時には山のトレイルコースのようなアップダウンが適度にあるところでチャレンジするのもいいことだと思う。毎日歩くことができればいいが、週に数回でも歩けると身体にはとても良いはずだ。歩くだけでも肩こりや腰痛の予防になるので是非頑張って欲しいと思う。ネズミのよう走れなくても颯爽と歩くことで十分健康になれるのだ。これから雨が多くなり、運動不足になりがちな季節なので意識して歩く機会を増すようにしたいものだ。

私も年末年始の食べすぎがたたって減量が必要だ。夫婦で励ましあいながら運動をするのも良いだろう。あまり相手の体重のことを責めすぎて追い込むと、窮鼠猫を噛むとういことで逆切れに合い夫婦喧嘩になりかねないので、お互い大らかに仲良く励ましあいながら歩きたいものだ。今年も健康に一年を乗り切るためには運動は不可欠。ベイエリアの皆さんの健康な一年を心から願うのだ。

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