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2007年10月 「アンチ・カイロ」

10月になった途端、朝晩の冷え込みが増してきた。この時期は時間が瞬く間に過ぎるので忙しさも倍増だ。子供たちの学校の先生との面談でショックを受け、あれよあれよという間にハロウィンがやってくる。毎年のパターンだ。

先日、娘にハロウィンのコスチュームを買ってくれとせがまれて、ハロウィン・ストアーに買い物に出かけた。我が娘は父親に似て超ビビリィだ。怖い映画の宣伝などを間違ってテレビで見ようものなら、その晩は私たちのベッドに必ずもぐりこんできて寝ている。そんな娘だから、かなりどぎついハロウィン・ストアーの飾り付けに耐えられるはずがない。いざお店の前まで来ると怖い怖いと泣きそうになって尻込みをするのだ。私だって大きな声では言えないが、怖いものはあまり得意なほうではない。怖い映画なんかも観たくない。「呪怨」なんて恐ろしい映画を見たがる人の気持ちが分からない。しかし、こんな時は娘の手前もあって父の威厳を誇示しなければいけない。「なんだ、なんだ、こんなの全然怖くないぞ。お父さんが付いているじゃないか」とやや上ずった声で言いながら娘の手をとり、家内と一緒に三人で店の中に入って行った。

店の入り口になはなだ迷惑なほどに仰々しく飾り立てられた恐ろしいフィギュアを横目でチラリと見ながら「目をつぶっていなさい。お父さんの手を握ってれば大丈夫だから!」と言いつつ実は娘の手を握る自分の手が汗ばんでいる。怖い人形が立ち並ぶセクションを足早に通り過ぎると「ホラ、平気だったろぉ」と掛ける言葉が娘へのものか自分へのものなのか判らなくなっている。こんなものは作り物だと分かっているからまだいいものの、もしこれが本物か偽物か分からなければ恐ろしくてしょうがないだろう。大人の私だってこんなおどろおどろしたものに突然暗闇の中で出くわしたら、思わずパンツの中に小水を漏らしてしまうことに違いない。しかし、どんなに恐ろしげなかぶりものを着ていようが、もし中身がお隣の田中さんのお父さんだと分かっていたとすれば滑稽なだけで怖くもなんともない。世の中、正体が分からないから怖いというものはたくさんある。パンチパーマをかけた怖いおじさんも友達になってみれば実は気弱な優しいおじさんだったりするものだ。

カイロプラクティックも同じだ。日本ではなかなか認知されていないし、子供の頃から親しんだものでもない。一体、カイロって何だろうと思っている方が多いのが現状だ。正体が分からないから、何やら骨をボキボキする恐ろしげな療法という印象を持っているのではないだろうか。更に悪いことに我々は小さい頃から「必殺仕置き人シリーズ」に慣れ親しんだ世代だということだ。ボキボキと悪人をエビゾリに折り曲げたり、首をグキッとへし折ったりする恐ろしいイメージが幼少の頃からしっかり植えつけられてしまっているのだ。それだけにカイロのことをよく知らないのに、カイロは非科学的だの乱暴な療法だと決め付けてしまうのだ。ところが私がカイロについて説明すると殆どの方がその明快で理にかなったカイロ理論を理解してくれるのだ。こんなに科学的なものはないではないかと納得するのだ。要するに知らないから怖いので、その理論や治療法を理解さえすれば怖くもなんともない実に親しみやすい医療だということが分かる。

私の患者の中にはお医者さんや看護士の方も結構いるし、私に患者を紹介してくれるお医者さんも結構多い。患者のためにも地域のお医者さんと密接なネットワークを作ろうと私も努力している。お医者さんと食事に行って話すと、まず皆さん「カイロプラクティックってよく分からないけど、どんなことするんですか?」と訊かれる。もちろん医学部ではカイロのことを教えているわけないので、お医者さんも一般の方同様に殆どカイロを知らないのだ。私も一生懸命カイロのことを説明するが一回の食事の間ですべてを説明しきれるものではない。それでもカイロに理解を示してくれる先生が多い。私も患者を治療する上でお医者さんの協力が必要な場合もあるし、明らかにお医者さんより私の得意分野の患者の治療を任せてもらえるのは患者にとってもよいことだと思うのだ。

ところがアメリカのお医者さんの中でも「アンチ・カイロ」と呼ばれる方がいる。時折、状態がずいぶん悪くなってから我慢できなくなって私のところにやってくる患者さんがいる。どうしてもっと早く来なかったのかと訊くと「私のホームドクターがカイロに行っちゃダメだと言った」と答えが返ってくることがある。アンチ・カイロの先生は患者がカイロに行ってみたいというと「私はカイロなんて信じない。カイロなんて行っちゃいけない」と不機嫌になり患者の要望に応じないのだそうだ。患者のことより自分のエゴが先行する身勝手なタイプだ。そういう医者でカイロのことをちゃんと理解している人はまずいない。知らないからこそ、そのような暴言を吐くのだ。私が一生懸命努力して頑張っている仕事をなぜそのように侮辱するのかと悲しくなるが、どうして彼らがカイロのことをろくに知らないのに毛嫌いするかというと実はカイロプラクターにも非があるのだ。

お医者さんでアンチ・カイロの方は年齢で言うと50歳以上の方が殆どだ。最近は大分減ってきたが、カイロ原理主義者と呼ばれるカイロプラクターの中でもかなり右よりの方々がいる。その人たちは薬を徹底的に嫌い、カイロプラクティックで背骨を正し、身体の中の神経の流れを正常化すれば、身体は自然と健康な状態に戻るというカイロプラクティックの基本的な考え方を極端なまでに主張し、副作用のある薬で病気の根本を治さず症状だけを誤魔化すと医者を徹底的に糾弾してきた歴史があるのだ。50歳以上のお医者さんはこのようなカイロ原理主義者をさんざん見てきたのだ。だから、自分たちを攻撃するカイロプラクティックを毛嫌いしてきたのだ。ところがもっと根深く歴史をたどれば今から100年ほど前にカイロプラクティックの創成期に医者たちは、カイロプラクターたちを無免許医療行為を行ったとして告発し、たくさんのカイロプラクターを牢屋送りにしたのだった。それ以来お互いを攻撃し合い、それぞれの信じる道を突き進み一歩も譲らぬ年月が続いたのである。

1970年以降はカイロプラクティックもアメリカ全州で正式に認められる医療となり、学校教育も医学部に追いつけ追い越せとかなりのレベルのものになり、学校カリキュラムも医学部に引けをとらないものになってきた。そして、カイロプラクティックと西洋医学のお互いの素晴らしいところを認め合うような教育がなされ、薬の必要性も現代のカイロプラクターは十分に理解している。もちろん過度の投薬治療や薬物依存は良くないことは当然だが、適切な投薬治療は必要なものであり否定すべきではない。最近のお医者さんは一時期ほど薬を乱用しなくなってきたし、漢方などを取り入れたり、カイロなどの代替医療に積極的な先生も増えてきた。とても嬉しい傾向だ。

もし、あなたがホームドクターにカイロプラクティックのことを訊いた時に否定的な返事が返ってきたとしたら、迷わず私に相談していただきたい。お医者さんよりもずっとずっと深くカイロプラクティックのことを理解していて、カイロが適した状態かそうでないかに関してより適切な判断を下せると思う。お医者さんにカイロの治療はどうかと訊いても先生は知らないことに責任を持てないので、無難に「行かないほうがいいのでは」とおっしゃる場合もあるだろう。アンチ・カイロの先生でなくてもそのような理由でカイロを勧めない先生も多い。カイロがなんだか正体が分かっていないから怖いのだ。これからも患者さんのためにもより多くのお医者さんにカイロのことを正しく知ってもらう努力をしていきたいと思う。カイロに行きたいのにホームドクターがカイロを嫌っていて行けないということになると一番犠牲になるのは患者さんだからだ。

アンチ・カイロの先生のところで治らない患者がカイロの治療でよくなっていくことは実に多いし、逆にカイロでは手に負えずお医者さんの治療によって回復するケースだってある。大切なのはお互いの長所を理解し、患者さんのためにはどの治療が一番かということだ。ハロウィンの被り物が怖いのも中身が誰だかわからないからだ。実際、我々の生活の中で敬遠していたものの中に、知ってみると実は皆さんの生活をより豊かにしてくれる素晴らしいものだったというものがたくさんあるはずだ。カイロもきっとそういったものの一つなのではないだろうか。カイロの治療でビビッてパンツの中に小便を漏らしたという方は私の知る限り今まで一人もいないので、是非多くの方に安心して来院して欲しいと願うのだ。



Dr.岡井の機密情報 「谷村先生、帰国開業決定!」

サンマテオのクリニックで活躍していた谷村先生が、このたび日本へ帰国して開業されることになりました。サンマテオでの仕事は今月一杯となりました。帰国後は千葉方面で開業の準備を進め、なるべく早く開業する予定でいます。もし、千葉方面でカイロプラクターをお探しの際は是非、谷村先生の治療院をご利用ください。まだ、はっきりとした場所や開業の日取りは決定していませんが、開業場所が決定したらHPのほうでもお知らせしますし、Dr.岡井のクリニックへ連絡すれば分かります。皆さん日本でも谷村先生の応援よろしくお願いします。

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