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ベイスポ2012年5月号「純粋なるもの」

ベイエリアの皆さん、お元気ですか?「全ての方にせぼね検診」を目指すドクター岡井です。いよいよ五月になってお天気も安定してきたように思われます。これからはスポーツを思う存分楽しめる季節ですね。皆さんゴルフやテニス、ランニングと体を動かす機会が増えてきたのではないでしょうか。私もゴルフがうまくなるように少し下半身を強化したいと思ってます。怪我がないように、無理のない範囲で頑張ってみようと思います。周りの方に「今に凄いゴルフをお見せしますから楽しみに待っていてください」と言い続けて久しいのですが、最近皆さん待ちつかれたのか私の熱い決意表明を明らかに軽く受け流しているフシが伺われ、ちょっと悔しいので今年こそはと心中燃えるものがあります。まあ、私のゴルフの話はどうでもいいので置いておいて、五月は毎年楽しみにしている『箱根祭り』がやってきます。私もお手伝いを始めて十年ほどにもなるでしょうか、毎年恒例の行事としてベイエリアでも定着してきた感があります。

ところで皆さんの中にはサラトガ市にある「箱根ガーデン」に行った事がないという方が結構いらっしゃるんではないでしょうか?それはもったいない。誠にもったいない。もうひとつおまけにもったいない。アメリカにある日本庭園は公園の一部に造られたものがほとんどです。中には日本文化と中国文化、あるいはその他のアジア文化が妙に混ざった不思議な雰囲気を醸し出したアジア庭園も少なくありません。箱根ガーデンは違います。山そのものが全て純粋に日本庭園なのです。まずサラトガの美しいダウンタウンを抜けるとまるで日本を思わせるような緑の濃い山に向かって行きます。道も急にカーブが多くなり日本の山道を思い出させてくれます。すると小さな箱根ガーデンと書かれた看板が目に入り、そこを入るといきなり急勾配の細い山道を登ることになります。坂を上りきるとそこには砂利道があり、その奥には静かな佇まいを見せる山門が見えるのです。山門を入ると驚くことに贅沢な面積の敷地を使った懐かしい日本がそこに確かに存在するのです。ただ日本庭園というだけでなく、その山全体がなんともいえない素敵な雰囲気を漂わせているのです。雅な古き日本家屋が山の丘陵を巧みに使って建てられています。そこからは眼下に鯉や亀がのんびりと泳ぐ池や今の時期最も美しい藤棚が見おろすことができます。そしてその建物の裏手に入って行くと見事な竹林道がめぐらされているのです。山門から入った正面にも平屋建ての家屋が日本の美意識を表すように控えめでありながら揺るぎのない存在感を出しています。その家屋には塀に囲まれた独自の砂紋をあしらった庭があり、贅沢な気分にさせてくれます。

又、新しい建物が山門を入って右奥にあり、そこではミーティングや催し物などもできるようになっています。この箱根ガーデンは1915年、日本でいえば大正時代になりますが、サンフランシスコの富豪が別荘として日本から庭職人や宮大工を呼び寄せて作らせた本格的なものなのです。サンフランシスコオペラの『蝶々婦人』の初演もこの箱根ガーデンを使って行われたと聞いています。なんと大正ロマンあふれる話でしょう。そんな素晴らしい日本庭園が維持費などの問題から存亡の危機にさらされたのが十数年前です。それまであまり積極的に箱根ガーデンに携わってきていなかった日本人コミュニティーがどうにか力になりたいと箱根祭りなどをはじめ様々な活動を通してサポートを始めたのです。広大な日本庭園を維持するために今は三人の庭師の方が働いています。そして、純粋な日本庭園を守るために彼らを日本へ研修に送りたいという構想もあるのです。そうしなければ純粋な日本式の庭園管理をするのがむずかしくなるのです。この箱根ガーデンは純粋なまじりっけなしの日本庭園として存続させて、その素晴らしさをアメリカの方に楽しんでいただきといというのが箱根ガーデンのコミッティーの考えです。確かに素晴らしいことです。そして純粋なるままに物事を存続させるということはどの世界においても大変な努力が必要で難しいものなのです。今まで箱根ガーデンが守られ存続してきたこと自体が奇跡のように思われます。

実はカイロプラクティックの世界もまた同じです。純粋なカイロプラクティックの治療をする先生が年々減っています。業界内でも警鐘を鳴らす声が高まっています。カイロプラクティックというものは背骨で起こるサブラクセイションと呼ばれる背骨のズレや引っ掛かりによって神経や椎間板間、関節に圧力を掛ける問題を手によるアジャストメントと呼ばれる手技療法で矯正することで背骨の動きや並びを正常に戻し、神経の流れを正常に回復させようというものです。このテクニックを身に付けるために大変な努力を強いられることになります。だけど、カイロプラクティックという技が世の中に必要とされ生き残った理由は他の医療には真似できないこのユニークなアジャストメントがあったからこそなのです。だからこそどこに行っても良くならなかった問題が良くなると人々に受け入れられ百年以上にわたり成長してきたのでしょう。ところが最近では「最新」などと称して機械を用いてアジャストメントをするカイロプラクターが増えているのです。私の同期にも学校の練習室では姿を見かけたことがない生徒がたくさんいました。一体いつ練習をしているのだろう?自分の腕だけが頼りの業界でアジャストメントができなくてどうやって生きていくのだろう?と疑問に思っていました。カイロプラクティックにとってもっとも大切なアジャストメントができずに卒業を迎える学生たちは急に慌て始めますが、考えが甘いとはまさにこのことです。そんなに簡単に身につくものではありません。ですからしばらくはベテランの先生のところで働かしてもらいながら技術を身に付けることになります。しかしながら昨今保険会社の締め付けによって医療業界全体が落ち込む中、カイロプラクターも昔ほど積極に新卒の若い先生の面倒を見れない状況になってきました。すると新卒の先生たちは経験がないながらも自分で開業して行くしかありません。そこで簡単にできる機械を使用することになるのです。私から見れば機械でアジャストメントする先生で実際に本来の手のアジャストメントが上手にできる先生は滅多にいません。時折いるのは手を傷めてしまって、手の負担を軽減するためにやむなく機械を使っているカイロプラクターというケースです。最新の機械を使えばいかにも良いように思われますが、どんな機械も人間の手ほど多種多様の繊細で複雑な動きをスムーズに器用に行うことはできません。機械と手のアジャストメントはまったくの別物なのです。

カイロプラクティックの技はアートだといいますが、機械であればカイロプラクターでなくてもマッサージ師や鍼灸師、フィジカルセラピスト、整体師やスポーツトレーナーなど解剖学の知識がある人なら誰でも使えるのです。純粋な手によるカイロプラクティックのアジャストメントができる先生がいなくなれば、やがてカイロプラクターのアイデンティティーを失い存在意義はなくなります。カイロプラクターでなくてもできる治療になっていくのです。一般の方にはピンと来ないかもしれませんが、そうなれば本物のカイロプラクティックは消えて行ってしまい、名前はカイロでも治療は違うという妙なものになってしまいます。それではユニークなカイロプラクティックのアジャストメントが必要な人が困ってしまいます。多くのアメリカ人には日本庭園とアジア庭園の違いが分からないかもしれません。だけどそれを分かってもらうためには純粋なものが燦然と存在しなければ分かりようがありません。カイロプラクティックも同じです。純粋なカイロプラクティックのアジャストメントがなければカイロプラクティックの良さも分からないのです。私はこれからもユニークで効果的なカイロプラクティックのアジャストメントという類まれなる素晴らしい技を磨いて日々精進したいと思っています。ぜひベイエリアの皆様にカイロプラクティックのアジャストメントや箱根ガーデンの純粋な素晴らしさを味わってもらいたいと願っています。

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